
こんにちは、のんしんです。
この記事では、「社会福祉士国家試験を独学で合格した方法」をテーマに書いています。
みなさん社会福祉士という資格をご存じですか。社会福祉士は福祉分野の専門職で、支援を必要とする人々の相談や支援を行い、問題解決や生活の質の向上を図る役割を担っています。この社会福祉士となるには、福祉系大学や専門学校で指定科目を修了、もしくは養成学校での学習を経て受験資格を得ることになります。受験資格後、年1回(例年1月下旬から2月上旬ごろ)の社会福祉士国家試験(以下国家試験)を受験し合格し登録を行うことで社会福祉士となることができます。
つまり専門的な過程を経たうえで、さらに国家試験に合格しないと、社会福祉士になることができないのです。そのため福祉系大学等を卒業しても、その後国家試験を合格していないがため、社会福祉士ではない方も多く見えます。
福祉系大学等でも学習は必要ですが、社会福祉士を目指す方で頭を悩ますことが多いのは国家試験だと思います。
私は社会福祉士を取得しましたが、一度国家試験には落ちています。その後改めて国家試験対策を行い翌年合格をしました。
今回は国家試験を合格するためにどのような対策が必要か、また一度落ちた失敗からどういった対策方法は良くなかったのかをお伝えしたいと思います。
国家試験の合格基準
国家試験の内容を始めに知る必要があります。国家試験の合格基準点は明確な定めはありません。しかし満点の60%程度と公表されています。令和5年度試験までは、試験問題数が150問であったため、満点の60%は90点でした。実際の合格基準点も90点だったのでちょうど60%だったと言えます。ちなみに令和4年度も合格基準点は90点でした。
ただし令和6年度から問題数が変更となっています。満点が129点となりましたので、例年の「満点の60%程度が合格基準点」に照らし合わせると、78点が合格基準点となりそうです。私の受験した年は合格基準点は88点でしたし、過去には合格基準点が72点という年もありました。逆に105点という年もありました(公表では合格基準点は満点の60%とされていました)。実際に試験問題数が変更となった令和6年度の合格点は62点以上であったので、60%という基準を大きく外れています。その年の受験者のレベルによって点数の変更もあり得るということを頭に入れておくといいと思います。
また総得点で合格基準点を満たしたうえ、もう一点合格基準を満たす項目があります。それは科目群ごとに1点以上の得点を得ることです。
社会福祉士の出題科目は以下の19科目で全6群にわかれます。
1.医学概論、心理学と心理的支援、社会学と社会システム
2.社会福祉の原理と政策、社会保障、権利擁護を支える法制度
3.地域福祉と包括的支援体制、障害者福祉、刑事司法と福祉
4.ソーシャルワークの基盤と専門職、ソーシャルワークの理論と方法、社会福祉調査の基礎
5.高齢者福祉、児童・家庭福祉、貧困に対する支援、保健医療と福祉
6.ソーシャルワークの基盤と専門職(専門)、ソーシャルワークの理論と方法(専門)、
福祉サービスの組織と経営
例えば、総得点で80点を取ったとします。しかし、2群の社会福祉士の原理と政策・社会保障・権利擁護を支える法制度で得点ができなかった場合は、不合格となってしまいます。
つまり、総得点で合格基準点を満たしたうえで全6群すべて得点を得ていないと合格とならないわけです。
ただしこの全6群の中で得点が1点以上というのは以前の試験に比べると難易度が緩和されています。以前は6群にわかれておらず、19科目(18科目群)すべてで得点が必要でした。この辺りも合格率が上昇した理由の一つだと思われます。
テキスト中心の学習方法で失敗した
次に対策方法についてお伝えしていきます。まずは私のおすすめしない対策方法をお伝えします。これは私の経験からお伝えすることになります。あくまで一個人の意見として参考にしていただけたらと思います。
おすすめしない対策方法、それはテキスト中心の対策方法です。私の不合格であった1回目の国家試験対策は、テキスト中心で行いました。
私の使用したテキストは約500ページ試験範囲の内容が記載されていました。そのテキストを1日大体1~2時間ほどかけ読みましたが、一度読んだ内容を全く覚えることができていなかったのです。
この時点で1ヶ月過ぎていましたが、不安に思いもう一度テキストを読みました。しかし読み終えた時点でも、1周目とほぼ同じく内容をほとんど忘れていました。丁寧に読んでいたはずなのに覚えることができていないのです。
そして次はテキストの内容を書き込みました。ただテキストの内容は要点を絞っているとはいえ膨大な量の内容が書かれています。そのため書き込むのが全く追いつかなかったのです。結局時間だけが過ぎていき、試験当日となりました。試験日の1週間前に前年の過去問を解き、合格基準点に全く達していなかったときはショックを受けました。そして結果は不合格。当時の合格基準点に自己採点で7点足りない状態でした。
この時の対策時間は9月から学習を始めて、合計で200時間くらいだったと思います。
この結果から私はテキスト中心の対策方法では、覚える範囲が広く時間がいくらあっても足りないことに気づきました。
おすすめは過去問中心の対策方法
不合格の経験を得て、私は翌年国家試験を再び受けることにしました。そしてまずは対策方法の見直しから始めました。インターネットで合格した人たちの対策方法をとにかく調べました。すると合格している人たちのコメントで気になる言葉がありました。
それは、「社会福祉士国家試験の問題は過去問からほとんど出ている。」です。
私の実践した対策方法とは全く逆でした。テキストをひたすら読み、過去問に手を付けたのは1週間前。当時の私は「試験内容は毎年変わるから過去問なんて解いても意味がない」と考えていました。
その結果が不合格。思い切って2回目の国家試験は、テキストをほぼ使わず過去問を中心に進めていくことにしました。対策を始めた時期は前年と同じ9月頃からでした。
それからは過去問5年分をひたすら解きました。選択ごとに解答を見て、理由が答えられるまで解きます。解答を見てわからなければ、インターネットで検索し、別の解説を確認し理解を深めました。
この対策方法の良い点は、覚える範囲を限定できることです。実は過去問中心に対策を行うと決めながら、途中で不安を感じ以前購入したテキストを読み返してみました。すると以前に比べテキストの内容が頭に入りやすくなっていたのです。理由はテキストの内容を、試験に出やすい問題と出にくい問題に、自分なりにわけることが出来るようになっていたからです。
自分の対策方法に自信がつき、さらに追い込みをしました。試験当日までに、過去問5年分の理解度は、9割ほど(当時全150問×5年分で750問。50問ほど選択肢で覚えきれなかった問題がありました。)でした。
そして結果は合格。合格基準点88点で自己採点が95点。高得点ではありませんが合格基準点を上回る結果となりました。
対策時間としては、前年よりも追い込みの時間を多く確保できたので250時間ほどでした。
テキストは補助として使うことがおすすめ
過去問中心の対策方法をおすすめしましたが、テキストを使用することが悪いと言っているのではありません。テキストを中心とする学習方法をおすすめしていないのです。理由は私のように使い方を間違えてしまう可能性があるということです。
ではどのようなテキストの使い方が正しいのか。それは大まかに読み、どんなことが書いてあるか知るために使います。丁寧に読むことはせず、大まかに読み進めます。「こういう内容もでることがある」くらいに捉えておきます。その後は例えば問題集に取り組んだときに、「この問題は周辺知識で別の内容もテキストに書いてあった。確認をしておこう」と思った時などに、使用するといいと思います。
私の使用したテキストのリンク先を紹介します。参考にしてみてください。ページ数は多いのですが、共通科目と専門科目が一冊になっているのでおすすめです。ただテキストは毎年変更があるので最新のものをご用意ください。
国家試験の対策時間
私の場合は、国家試験を合格するために必要な対策時間は250時間でした。これは過去問5年分を、9割ほど理解ができるようになるまで要した時間です。高齢者分野は仕事で触れていた内容もありました。しかし試験において優位に働いていたとは感じませんでした。前年に落ちたときの知識も半年もたつとほとんど忘れていました。
個人差もありますが、目安としては200時間以上を対策時間の目安としてスケジュールを組むと良いかと思います。理解度を含め調整をしてみてください。
過去問は直近5年分以上
過去問中心の対策方法を行う上で、どのくらい前の過去問を解けばいいのか疑問に思われるのではないでしょうか。
多くの過去問を解けばその分対国家試験に対応できる範囲も広がります。ただしその分時間もかかります。
私のおすすめは直近5年分です。3年分では少し足りない印象です。絶対ではありませんが、5年分を解くと合計で750問(令和5年度まで全150問、令和6年度以降は全129問)解くことになります。問題数としても十分だと思います。
私の使用した過去問題集のリンク先を紹介します。よろしければ参考にしてください。私の使用した当時は過去問4年分が掲載されており、もう1年分はインターネットで調べ対策していました。今は全10年分の過去問が盛り込まれているそうです。ただ過去問題集は毎年変更があるので最新のものをご用意ください。
ここまで記事をお読みいただきありがとうございます。
社会福祉士は高齢社会に突入していることもあり、今後需要が高まると期待されている資格です。しかしこの資格は、正しい対策を取らないと合格することは困難です。マークシート方式であるため絶対ではありませんが、合格した方の多くはしっかりと国家試験対策をしています。
年に一度の試験であるので、私のように悔しい思いをする方が少しでもなくなればという思いからお伝えさせていただきました。
この記事がみな様にとって有益な情報となれば嬉しいです。
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