
こんにちは、のんしんです。
この記事では、「生活相談員のリアルな話」をテーマに書いています。
みなさん生活相談員という仕事をご存じですか。生活相談員は、介護施設や福祉施設などで高齢者や家族など相談に応じ、生活全般の支援を行う専門職です。
私はこの生活相談員を約10年経験しました。主に特別養護老人ホーム、短期入所生活介護(ショートステイ)、ケアハウス、老人デイサービスセンターで経験したため、生活相談員という仕事に関しては一定以上の理解があると思います。
この生活相談員について、今後の仕事先として考えている方もいると思います。実際にどのような仕事をしているのか。そのリアルな実態を私の経験談からお伝えしていきたいと思います。
立場は事業所によって違う
生活相談員という仕事は前述した通り、相談を受け生活全般の支援を行う専門職です。ただ実際に生活相談員の仕事をしてみると、「これって生活相談員の仕事なのか?」と感じることも多々あります。
実際に経験しているのですが、生活相談員に運営のほとんどを任せている事業所もあります。なぜそのような状況になってしまうのか。その理由は「相談」という範囲が広すぎることだと思います。
この「相談」に対し、どんな対応もこなしていく力が必要になってくるため、何でも対応していくことになってしまうのです。その結果運営まで任されてしまい、生活相談員の立場が事業所のNo2、3くらいになってしまう事もあります。
ただし一人の生活相談員として相談業務を行い、運営面は別の人間が行う事業所もあります。
生活相談員という仕事は、事業所によって立場が変わってくることを知ってもらいたいと思います。
仕事内容は相談業務という名の「稼働率管理」
生活相談員という名であるので、相談業務が主な仕事内容だと考えると思います。実際にインターネット等で調べても、そのように書かれている記事も見ます。
ただ私が約10年経験する中での仕事内容は、相談業務が仕事内容だとは思いませんでした。
生活相談員の仕事内容、それはズバリ「稼働率管理」です。相談業務というのはこの稼働率管理の一部になるのです。
まず稼働率という言葉は、売り上げが近い言葉になります。介護施設などは、定員が決まっており、利用する人数分の利用料をもとに運営が成り立っています。つまりなるべく定員ちょうどの利用人数で運営することが一番なのです。定員100名の介護施設で、98人が入所しているとします。この場合は98/100で、98%の稼働率となります。定員が決まっているので、事業所は稼働率100%を目指していきます。
ただ実際は持病の悪化などもあり、入院や亡くなってしまう方も多くいます。常に満床は難しいのです。そのため100%の稼働率から、以下に下げないかを考えていく必要があります。
この稼働率を管理していくことが、生活相談員の主な仕事内容だと私は思います。相談援助というのは稼働率を管理していくために行っていくものだと考えています。
例えば、相談援助を適切に行う→高齢者や家族から信頼を得る→事業所に良い評価を受ける→利用希望者が増えるなど→稼働率が上昇するというようなイメージです。
稼働率が上昇していくために、あらゆる方法を考え調べ実践していきます。これが生活相談員の仕事内容だと思います。
私が実際に行っていた仕事内容
私が生活相談員として行っていた仕事内容を大まかに書きます。あくまで経験として書いていることですので、ご了承ください。
1.入退所の調整
利用者様の入退所を調整します。直接ご本人やご家族等と調整、専門機関と連携を取り進めます。この中に契約や、必要な会議への出席等も含まれます。また他の専門職(管理者、医師、介護士、看護師、管理栄養士、介護支援専門員など)とも連携し、情報提供や情報収集を行います。私の場合この情報提供や情報収集はめちゃくちゃ神経使いました。言葉が悪いですが、本当に好き勝手言ってくる人もいます。それでもなるべく穏便に進むように低姿勢で構えます。医師への情報提供等は機嫌などに左右されることもありました。その為お出迎えからお送りまで担当し、情報提供のタイミングを計ったりもしました。あと短期入所などは入退所の送迎も行うことがあります。
2.利用中の方へ諸々の調整
利用中の方にももちろん諸々の調整をしていきます。利用状況を専門機関にお伝えしたりします。
3.事務作業
請求業務や保険証の管理等行います。事務員に任せている事業所もありますが、私の経験した事業所では生活相談員が行い、利用料の徴収などを事務員が行っていました。後は日誌を書いたり、相談記録を書いたりします。
4.介護現場へのヘルプ
介護現場は常にスタッフがギリギリで、イレギュラーがあれば生活相談員がヘルプに入ります。イベントや外出レクなども手伝います。あまりにヘルプが多く、自分の仕事は介護士ではないかと思うこともしばしばありました。生活相談員のヘルプに入ってくれるなんてことはほぼありません(私は経験したことがないです)。
5.関係機関回り
関係機関回りという名の営業です。入所希望の方がいないかなど声をかけていきます。私は月2日ほど時間をつくっていました。市外の関係機関にも出向いていました。病院などはアポが必要であることが多いです。後は大体飛び込みで訪問します。門前払いをされることもありますので、その際は後日電話でアポを取り再度訪問できるか確認します。
6.地域活動
地域に向けた活動も行っていきます。私の勤めた事業所ではオレンジカフェという活動を行っていました。主に生活相談員が動いていました。後は地域の除草作業やお祭りの参加、健康体操等の参加です。地域包括支援センターなどから情報を取り、高齢者の集いなどに参加しながら紹介をしていきます。
7.管理者会議
管理者ではないですが、管理者会議に何度か出席しました。稼働率が下がっているときなどは、理事長や他事業所の管理者等に袋叩きに合い地獄です 笑。逆に稼働率が安定していても、あたりまえのような雰囲気です。
8.管理当直
施設系では管理当直を生活相談員も入ることがあります。私は週1回入っていました(19:00から9:00)。仕事扱いではないので、次の日もそのまま出勤です。救急搬送などあった場合は、仮眠が取れないのでかなりきついです。過去一番多く当直に入った事業所は、月8回でした。逆に家に帰るのが面倒になりました 笑。
正直細かい部分はまだまだありますが、大まかに行っていたことはこんな感じです。本当に生活相談員の仕事なのか疑問に思うものもありますが、これが事業所によって立場が違う内容だとお考え下さい。
生活相談員は「視野を広げる」にはおすすめ
実際に生活相談員として働いてみて、私自身がおすすめできるかをお伝えします。
結論「視野を広げる」にはおすすめです。とにかく経験値を大幅に得ることができる仕事です。業務に関係あることないことすべてが経験値になります。
ただし仕事自体はとてもハードではあります。常に自己研鑽が必要になります。結果が出ず、精神的につらくなることもあります。私自身も精神的に病んでしまったこともありました。
それくらいハードな仕事ですが、正直今生活相談員の仕事から離れてみて当時の経験が役に立っている部分も多くあります。福祉・介護・医療業界について、モノの見方が変わりました。この仕事をしっかり行うことで視野は確実に広がります。
ここまで記事をお読みいただきありがとうございます。今回の内容はあくまで私の経験談となります。前述した通り事業所によって仕事内容も違います。また地域によっても事情も違います。ただ生活相談員という仕事はとても大変な仕事だと思っています。大きな経験にはなりましたが、私は正直もうやりたくないという思いの方が強いです。
そのため私のわかる範囲で正直にお伝えさせていただきました。賛否両論あるかと思いますが、少しでも有益な情報となれば嬉しいです。



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