
こんにちは、のんしんです。
この記事では、「元・生活相談員がお伝えする短期入所生活介護の使い方について」をテーマに書いています。
みなさん短期入所生活介護(以下ショートステイ)というサービスをご存じですか。
私はショートステイというサービスの生活相談員という仕事をしていました。生活相談員というのは、簡単に言うとショートステイを使いたい方との調整をする立場になります。ショートステイの生活相談員をしてみて、利用を検討するときに「こういったことが事前にわかっていると楽」と感じることがありました。
今回はショートステイについて、元生活相談員の立場から利用を検討する側及びサービス事業所側がお互いの事情を理解し、Win-Winの関係になれる情報をお伝えしたいと思います。
ショートステイって何?
ショートステイは介護保険制度のサービスの一つで、希望の日数で施設等に宿泊し介護等サービスを受けることができます。ショートステイのみ行っている事業所や、特別養護老人ホームなど施設の一部をショートステイとして利用できるところもあります。
誰が利用できるの?
ショートステイは基本的には要支援もしくは要介護認定を受けている方が利用できます。利用したい場合は要介護認定を受ける必要があります。要介護認定というのは、介護保険制度のサービスを利用するために行われる公的な判定のことです。まずは市区町村などに申請をするところから始まります。
いくらくらいかかるの?
事業所によって違いますが、1日当たり介護報酬部分(1割負担の場合)が1,000円前後、食費で1,400円前後、部屋代で2,000円前後の合計4,400円くらいです。例えば2泊3日利用した場合は、13,000円前後の利用料が発生することになります。ショートステイ含め介護保険制度のサービスは基本的に、かかった費用の1~3割を利用者側が負担します。残りは介護保険(公費+保険料)から事業所に支払われる仕組みとなっています。
ただ部屋代などは個室と多床室では利用料に差があるので、詳細は利用する事業所に確認が必要です。また、年収によっては利用料の減額を受けることもできます。
どういう状況で使う人がいるの?
多いのは家族が介護から離れてリフレッシュしたい、施設入所を考えているが空きがなくつなぎで利用したいというような理由です。ショートステイというサービスは利用者様本人というより介護者側の課題解決のために利用することが多い印象です。その為利用者様本人が納得していなく、サービス利用をするケースも少なくはありません。
どうやって利用するの?
介護保険制度のサービスになるので、利用をする際は介護の設計書であるケアプラン(介護サービス計画書)というに位置づける必要があります。ケアプラン作成は、ケアプラン作成の専門家であるケアマネジャーへ相談するケースが多いと思います(一応利用者本人でケアプランを作成することも可能です)。よく生活相談員をしていた時に、ショートステイ事業所へ利用者本人から直接連絡が入ることもありましたが、基本的にはケアマネジャーが通っていないと調整することが難しいです。ケアマネジャーはショートステイ事業所と利用者本人の仲介に入ることになります。
ケアマネジャーの探し方は、市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターという機関へ相談してみましょう。
いつから予約を入れることができるの?
事業所によって違いますが、2~3ヶ月前から予約開始としていることが多いです。例えば10月利用だと8月1日から予約開始をしたりします。
キャンセル料は事業所によって異なりますが、キャンセル料金がかからないケースが多いと思います。キャンセルがわかった時点で連絡を入れるようにしましょう。ただ事業所側も予約が入っている場合は、他の利用希望があっても入れることができないので、安易なキャンセルはやめましょう。これは事業所側も困るのです。
予約開始日以降は随時で予約を受け付けています。ただし事業所によって定員があるので、定員を超える日に予約することはできません。ホテルなどでいう満室の状態です。キャンセルが出れば利用はできますので、キャンセル待ちにすることもできます。
急な利用はできるの?
基本的にはできます。
ただしショートステイ事業所は正直嫌がるところが多いです。私自身も急な利用は正直困りました。理由はいろいろありますが、一番は準備のできないことが大きいです。他利用者の支援も行っているため、急な対応に人員を割くこと自体が難しいのです。ただ事情にもよりますし、ある意味そこが生活相談員の腕の見せ所でもあったので部屋が確保できる状況であれば極力利用ができるようにします。このような場合は、特にショートステイ事業所と本人やご家族等、ケアマネジャーとの連携が必要になります。ご家族等に事業所側からお願いするもありますので、しっかりと対応していただけることで利用がスムーズになり、利用者様本人も安心できます。
実際空きはあるの?
事業所によって異なりますが、お盆や年末年始などは早く予約が埋まります。予約タイミングの問題もあります。要介護認定を受けた方が利用をするので、満室でも体調不良などでキャンセルすることも少なくはありません。ショートステイ側としては、部屋が空いていればできる限り埋めたいと考えています。まずはケアマネジャーに相談してみましょう。
必要な持ち物はあるの?
新たに買いそろえるようなものもありますので事業所に確認をしましょう。
衣類など事業所によって貸し出しを行うこともあります。内服薬がある場合は、薬をもっていく必要があります。私の勤めていた事業所は、内服薬の飲み忘れ防止のためお薬の一包化をお願いしていました。一包化が薬局などで困難である場合は、小袋を用意していただき1日ごとに内服薬をわけてもらっていました。事業所によってどこまで対応するかが異なりますので、そのあたりがご理解いただけますようお願いします。
断られることはあるの?
利用を断られることもあります。まず、定員を超える場合です。また利用者様本人やご家族の理解がない場合、本人の状態として受け入れが妥当ではないと判断した場合などです。
例えば本人に強い拒否がある場合など利用は困難となります。良くはないのですが総合的に判断し、無理に利用へつなげる場合も正直ありました。ただし事業所から出て行ってしまおうとしたり暴れたりすることもあると退所を命じられます。それは利用者様本人の安全を確保することが困難であり、ショートステイ以上に必要であるサービスがあると思われるからです。
また一定の医療行為が必要な場合などは、看護師等が夜間在住していない事業所は受け入れをしない場合もあります。受け入れをしないというよりはできないのです。例えば痰の吸引が必要な場合など、事業所によって体制が整っていないと利用は難しいです。
その他、利用に関しては契約書等を通じ決めることが多いので、利用前に事業所側から説明があります。契約書等の説明は形式的な対応になることが多いのですが、後々困らないようにしっかり確認しておいた方がいいです。
ここまで記事をお読みいただきありがとうございます。今回はショートステイについて私の経験からお伝えさせていただきました。ショートステイは在宅での介護生活を助ける役割がとても強いサービスになります。
少しでもショートステイについて理解される方が増えるとうれしいです。



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